竜骨弁をピンセットで慎重に開くと、教科書的な植物のイメージを覆す生殖器官の配置が現れます。エンドウの雄しべの数は全部で10本、雌しべは中央に1本配置されています。
特筆すべきは、雄しべ10本の並び方です。10本のうち9本は花糸(かし)の下部が互いにくっついて筒状(合着)になっており、雌しべの根元である子房を取り囲んでいます。そして残りの1本だけが独立して離れているという「二体雄しべ」と呼ばれる特殊な形状をとっています。
筒状の雄しべの中心から伸びる雌しべの先端(柱頭)には細かな毛が生えており、自身が放出した花粉を確実にキャッチして逃さない構造が完成しています。