磯村勇斗のキャリアを語る上で欠かせないのが、視聴者や制作現場を驚かせ続ける「振れ幅の極端さ」です。2017年のNHK朝ドラ『ひよっこ』で実直な見習いコック・ヒデを演じ、「国民的好青年」として親しまれた直後、2018年の『今日から俺は!!』では狂気じみたヤンキー・相良猛を演じました。
現場取材や当時の関係者証言によると、相良役のオーディションやリハーサルにおいて磯村が見せたのは、単なる大声での威嚇ではなく「何を考えているかわからない冷たい瞳」と「予測不能な凶暴性」でした。泥臭い喧嘩シーンでも一切躊躇せず、主役を食うほどの圧倒的な悪役像を構築。視聴者からは「ひよっこのヒデと同一人物だと最後まで気づかなかった」という声が相次ぎました。
その一方で、テレビ東京の深夜ドラマ『サ道』では、サウナを愛する冷静沈着なコンサルタント「イケメン蒸し男」役を好演。原田泰造、三宅弘城という個性派ベテラン俳優の間で、余計な芝居を一切排した静かなトーンで作品のリズムを整えました。さらに『恋する母たち』では、吉田羊演じる年上女性を真っ直ぐに見つめ翻弄する後輩・赤坂剛を色気たっぷりに演じ、「赤坂沼」と呼ばれる熱狂的なファンコミュニティを生み出しました。