渇水傾向が報じられた際、現地・西三河ではどのような動きが起きているのでしょうか。流域の自治体や産業界における生の対応パターンを検証すると、極めてシステマチックなリスク管理体制が見えてきます。
豊田市をはじめとする地元自治体では、矢作ダムの貯水率が一定基準を下回ると、公共施設の噴水停止や学校プールの注水見直し、公用車の洗車自粛など、行政主導の節水アクションが即座に実行されます。SNS上では「まだ蛇口から普通に水が出るから実感が湧かない」という市民の声も見られますが、これは上水道への制限を最後まで回避するよう、農業用水・工業用水側が先行して痛みを引き受ける調整を行っているためです。
製造現場の担当者からは「過去の渇水や取水トラブルを経験して以降、工場内での水の循環再利用率を90%以上に引き上げる設備投資が進んだ」という声も聞かれます。しかし、渇水が長期化すれば地下水汲み上げの限界やコスト増が重くのしかかるため、各企業は豊橋河川事務所の渇水情報を日次でモニタリングしながら操業スケジュールを組むのが通例となっています。