癌に起因する腰痛の中で、特に骨そのものに関わる要因として挙げられるのが「脊椎への転移(骨転移)」と「原発性脊椎腫瘍」です。肺がん、乳がん、前立腺がん、腎臓がん、胃がんなどは背骨(椎骨)に転移しやすい性質を持っています。
背骨に癌細胞が広がる骨転移に伴う腰痛の特徴として、夜間に痛みが激しくなる「夜間痛」が挙げられます。就寝中にズキズキとした強い痛みで目が覚める、寝返りを打つことすら困難になるといった腰痛の夜間痛の原因には、炎症反応の亢進や骨膜の伸展、神経圧迫が関与しています。さらに脊椎腫瘍による腰痛の症状が進行すると、背骨の強度が落ちて軽い衝撃やくしゃみ程度で骨折(病的骨折)を起こしたり、下肢のしびれや麻痺、排尿・排便の障害を伴う「脊髄圧迫症候群」へと発展する恐れがあります。