『魔女の宅急便』における松任谷由実さんとスタジオジブリの幸福な出会いは、その後も強固な絆として受け継がれていきました。その集大成となったのが、2013年公開の映画『風立ちぬ』における主題歌『ひこうき雲』の起用です。
『風立ちぬ』の企画段階で、宮崎駿監督と鈴木敏夫プロデューサーは再び「主人公・二郎の生き様と時代の儚さを表現できるのはユーミンの歌声しかない」と確信。荒井由実のファーストアルバム表題曲である『ひこうき雲』(1973年)を主題歌に抜擢しました。
スタジオジブリの歴史において、既存曲でありながらこれほどまでに作品の本質を射抜き、映像と一体化して語り継がれるアーティストは松任谷由実さんをおいて他にいません。彼女の紡ぎ出した言葉と旋律は、ジブリ作品が持つ普遍的な人間賛歌の精神と深く結びついています。