ヒトの頭頂部に見られる毛流の渦は、胎児が母親の胎内にいる妊娠10週から16週頃、頭皮の急激な伸長と毛包(毛根を包む組織)の傾斜によって形成されます。皮膚科学および解剖学の統計調査によると、日本人の人口におけるつむじの数と巻き方の分布は極めて明確な数値として記録されています。
遺伝の仕組みについて「親につむじが2つあれば必ず遺伝するのか」という相談が皮膚科や育児相談で多く寄せられます。結論から言えば、つむじの数や位置はメンデルの法則に従う単純な単一遺伝子遺伝ではなく、複数の遺伝的要素と胎生期の頭蓋骨の成長スピードが複雑に絡み合う多因子遺伝です。そのため、両親がともに単一つむじであっても子どもに2つのつむじが発現することは珍しくありません。
また、スタイリストの間で注目されるのが、頭頂部に2つの渦が近接して並ぶ特殊な配置「鳥居つむじ」です。左右のつむじから生じる毛流が神社の鳥居の笠木のように中央で正面衝突し、髪が自然に立ち上がったり、あるいは真ん中から左右に割れて頭皮が露出したりします。渦の回転方向が「右巻き×右巻き」の同方向回転なのか、「右巻き×左巻き」の対称回転なのかによっても髪の収まりやすさは大きく異なります。