Q1:公用車で事故を起こした場合、運転手の自腹になる具体的なケースは?
A1:運転手に「故意」または「重大な過失」が認められた場合、国や自治体から求償権を行使されて自己負担が発生します。具体例としては、赤信号の無視、著しい速度超過(時速30km以上のオーバー)、酒気帯び運転、スマホ操作による前方不注視(ながら運転)、居眠り運転などがあります。軽微な前方不注意(軽過失)にとどまる場合は、国家賠償法の原則に基づき公費(または自治体共済・保険)で処理され、職員個人の自己負担は免除されるのが通例です。
Q2:国の公用車が民間任意保険に入っていないのは本当ですか?
A2:本当です。国の各省庁が保有する公用車の多くは、国の強大な財政力を背景とした「自己留保」の考え方に基づき、自賠責保険のみに加入し民間損保の任意保険には加入していません。事故発生時の賠償金は国の一般会計(公費・税金)から直接支出されます。一方、財政基盤の小さい基礎自治体(市区町村)では、万が一の巨額賠償による財政破綻を避けるため、民間損保の対人・対物無制限保険や自治体共済に加入しているケースが大半です。
Q3:被害者側になった場合、相手が公用車だと示談交渉で不利になりますか?
A3:過失割合そのものは一般的な交通事故の算定基準(判例タイムズ基準)に基づき客観的に決められるため、公用車側が一方的に有利になることはありません。ただし、示談金の支払決定には自治体の首長専決処分や地方議会の承認手続きが必要となるため、民間の保険会社同士の示談と比較して解決までに長期間を要する傾向があります。弁護士費用特約を活用し、早い段階から弁護士を代理人に立てて交渉を進めるのが被害者側の有効な防衛策です。
Q4:公用車を休日に私的利用して事故を起こしたらどうなりますか?
A4:職務遂行性が完全に否定されるため、国家賠償法第1条の適用外となります。事故を起こした職員本人が民法第709条に基づく不法行為責任を全面的に負い、損害賠償金は全額自腹となります。また、公費や行政共済の補償は1円も使えないばかりか、職務外の重大な規律違反として懲戒免職や横領罪・背任罪などの刑事告発を受ける極めて深刻な事態に発展します。