野鳥愛好家の間で「水元公園に行けばカワセミに出会える」と確信を持って語られる最大の要因は、東端に位置する葛飾区施設「水元かわせみの里」に集約されます。園内の水路や小合溜から引き込んだ水を植物や礫間接触酸化法によって段階的に濾過する浄化池が整備されており、この清らかな水域がモツゴやスジエビといったカワセミの主食となる水生生物を大量に育んでいます。
自然界のカワセミは縄張り意識が極めて強く、採餌に適した水辺を巡って激しい小競り合いを繰り広げます。水元公園では、人工的に設けられた水辺の止まり木や杭が絶好のハンティングテラスとして機能しており、給餌を行わずに自生する生態系ピラミッドのみで生息を支える循環が成立しています。施設職員やボランティアによる保全活動の記録を検証しても、周年を通して安定したテリトリーが維持されていることが裏付けられています。
水生植物が繁茂する浅瀬と、適度な水深を持つ池がモザイク状に配置されている構造も強みです。獲物を狙いやすい透明度と日陰が確保されているため、朝夕の採餌活発時には数メートル先の観察フェンス前へ躊躇なくダイブする姿が日常的に記録されています。