レベルファイブを率いる日野晃博氏の手腕が如実に表れていたのが、物理的な「妖怪メダル」とゲーム本体をQRコードでシームレスに結びつけるクロスメディア戦略でした。玩具店に長蛇の列を作り、手に入れたプラスチックのメダルを自宅のゲーム機にかざす。この一連の体験は、当時のコンピュータゲーム産業におけるビジネスモデルの転換点となりました。
単なるダウンロードコンテンツの販売ではなく、現実世界のコレクション欲をデジタル空間のインセンティブへと直結させる手法は、ゲーム業界全体に巨大なインパクトを与えました。子どもたちはメダルを交換し合い、親世代はコードを求めて奔走する。画面の中だけで完結しないインタラクティブな熱狂を創出した点において、日野氏の先見の明は今振り返っても傑出しています。