『にじのむこうに』が誕生した1996年当時、坂田おさむ氏はすでに『おかあさんといっしょ』のレギュラー出演を終え、作家・シンガーソングライターとしての活動を本格化させていました。当時の制作関係者や坂田氏本人が過去の手記・インタビューで語った証言によると、この曲の着想は「雨が降り続いて外で遊べず、退屈そうに外を眺めていた子どもたちの姿」という、ごくありふれた日常の一コマにありました。
「雨が降っている時間は、誰にとっても少し憂鬱で退屈なもの。けれど、雨が止んだ瞬間には、世界が洗われたような青空と美しい虹が待っている。そのワクワクする瞬間を音楽に閉じ込めたかった」――坂田氏が語るこの制作動機こそが、楽曲の冒頭に響く「雨があがったよ」というフレーズの原点です。
坂田氏が紡ぐにじのむこうにの歌詞には、単なる子どものためのお遊戯歌にとどまらない、人生の普遍的なメタファーが内包されています。土砂降りの雨(困難や悲しみ)の先には、必ず澄み渡る青空と虹(希望や再会)が待っているというメッセージは、幼い子どもたちの純粋な心だけでなく、育児や仕事に追われ疲弊する保護者の心にもまっすぐに届きます。この「大人と子どもが同じ地平で共有できる希望」こそが、四半世紀を超えて愛される最大の理由です。