実際に台湾の路上で赤い封筒を拾ってしまうと、一体何が起きるのでしょうか。現地の言い伝えや実際の現場では、次のような緊迫したプロセスが展開されます。
封筒が置かれた場所の近くには、必ずと言っていいほど物陰や電柱の陰、車内から現場を監視している遺族が潜んでいます。ターゲットとなる男性が封筒を拾い上げた瞬間、遺族たちが一斉に駆け寄り、満面の笑みで「姑爺(グーイエ:お婿さん)!」と呼びかけながら取り囲みます。
一度拾ってしまうと、「神仏と死者の魂の導きによって選ばれた」と解釈されるため、簡単には断れない空気が作られます。婚礼の儀式自体は、亡くなった女性の位牌や紙人形を相手に執り行われ、男性側には多額の結納金や持参金、財産が渡されるケースもあります。
なお、冥婚を挙げた男性であっても、その後に生きた女性と再婚・結婚することは可能です。ただし、霊的な順序としては「冥婚の妻が正妻(先妻)」としての格式を持ち、後から結婚した生身の妻は位牌に対して敬意を払わなければならないという家庭内ルールが課されることが一般的です。