読者の多くが最も気をもんでいるのが、「なぜ宮城野早川堤の駐車場はこれほどまでに早く満車になり、激しい渋滞が発生するのか」という疑問です。現地取材と交通インフラの構造分析を行うと、そこには明確な「物理的制約」と「観光心理の罠」が存在することが浮き彫りになります。
まず、箱根宮城野 臨時駐車場と混雑状況の裏側にある物理的要因です。桜の開花期には宮城野地区内に町営および民間の臨時駐車場が数カ所開設されますが、堤防周辺で確保される総駐車可能台数は合計しても200台〜300台規模にとどまります。これに対し、首都圏および静岡方面からマイカーで流入する車両数は満開期の週末で1日あたり数千台規模に達します。つまり、キャパシティと需要のバランスが最初から10倍近く乖離しているのです。
さらに問題を悪化させているのが、道路の線形です。宮城野への主要アクセス路である国道138号線は、御殿場・仙石原方面と宮ノ下・箱根湯本方面を結ぶ幹線道路ですが、宮城野交差点付近は片側1車線の狭隘な道路であり、右折待ちの車両が1台発生するだけで後続が数百メートルにわたって完全に停止します。臨時駐車場への進入待ち車両が本線上に滞留した瞬間、エリア全体の交通機能が麻痺してしまうのです。
ここに宮城野早川堤 桜 混雑回避の真相として作用しているのが、観光行動学における「午前10時の集中トラフィック」です。都内や横浜を午前8時前後に出発したドライバーが東名高速・小田原厚木道路を経由して宮城野に到達するのがちょうど午前9時30分から10時30分の時間帯。この波が一気に押し寄せるため、午前9時15分の段階で近隣の主要駐車場はすべて「満車」の赤文字を掲げることになります。このメカニズムを知らずに「10時頃に着けばいいだろう」とハンドルを握ると、花見どころか車内で2時間以上の足止めを食らう事態に直結します。