芸能界のトップランナー同士であるだけに、インターネット上では時に事実無根の憶測や都市伝説が飛び交うことも少なくありませんでした。その代表格が「共演NG説」と『プライド』最終回の「アドリブキスシーン」を巡る噂です。
13年間共演がなかった「共演NG説」の真相
『プライド』で爆発的な人気を博したにもかかわらず、2017年の『A LIFE』まで二人の共演が13年間途絶えたことから、一部の週刊誌やネットメディアでは「事務所関係の思惑やプライベートでの確執による共演NGではないか」と根拠のない憶測が流布されました。
しかし、これはドラマ制作のサイクルと双方のキャリア展開を無視した短絡的な見方に過ぎません。当時、竹内結子さんは映画『いま、会いにゆきます』の大ヒット以降、映画界での主演オファーが殺到し、さらに私生活での結婚と出産という大きなライフステージの変化を迎えていました。一方の木村拓哉さんも『エンジン』『華麗なる一族』『CHANGE』など毎年のように主演作を背負い、互いのスケジュールと局側の企画意図が合致しなかったというのが実情です。
事実、『A LIFE』のキャスティングに際して、木村さんサイドが「深冬役は竹内結子さんしか考えられない」と熱望したと当時の関係各所から報じられています。共演NGどころか、互いの表現力を誰よりも高く買い合っていたからこそ成立した13年ぶりの再集結でした。
『プライド』最終回、リンク上のキスシーンはアドリブだったのか?
今なお語り草となっているのが、『プライド』最終話のラストシーンです。雪が舞い散る屋外リンクで、長年のすれ違いを経て抱き合い、交わされたエモーショナルなキス。このシーンについて「木村拓哉のアドリブだったのではないか」という都市伝説が長年囁かれてきました。
この点について当時の演出を手掛けた中江功監督の制作エピソードや現場証言を検証すると、台本上にキスの指定自体は明確に存在していました。しかし、抱き寄せる強さや、顔を見合わせた際に見せた息遣い、そしてキスを交わした後に見せた屈託のない表情のやり取りは、二人がその場の空気と感情の流れの中で自然発生的に生み出した「台本を超えた即興のケミストリー」であったとされています。作られた芝居を超え、キャラクターがそこに実在していると信じ込ませる力こそが、アドリブ説を生むほどのリアリティをもたらしたのです。