物語の終盤からエピローグにかけて、最も多くの読者が固唾を呑んで見守ったのが緑谷出久とお茶子の関係性の行方です。雄英高校入学当初からデクの勇気に惹かれ、時に胸のときめきに戸惑いながらも「今はヒーローになるために恋心を心に仕舞う」と決意した彼女の歩みは、最終回(第430話)で大きな節目を迎えました。
決戦から8年が経過した世界において、お茶子はプロヒーロー「ウラビティ」として第一線で活動しながら、飯田天哉、八百万百、蛙吹梅雨らと共に「個性カウンセリング拡張計画」を立ち上げています。これは幼少期のトガのような「個性の特異性ゆえに社会から弾き出される子ども」を二度と生まないための全国的な訪問支援事業であり、ヒーロー社会の根本的な歪みを是正する試みです。
作中において二人の明確な結婚や交際宣言が描かれることはありませんでしたが、雄英高校の教員となったデクと、社会の最前線で戦うお茶子が互いを誰よりも深く理解し、手を取り合って未来を見つめる姿は、単なる恋愛関係を超越した戦友・魂の共鳴者としての確固たる着地を見せました。