博麗神社の縁側で茶をすする博麗霊夢と、ほうきを片手にふらりと現れる霧雨魔理沙。二人の基本フォーマットは、驚くほど初期から揺らいでいない。赤と白、そして黒と白という強烈なコントラストは、視認性の高さという記号論的な強みを超え、もはや歌舞伎の隈取や古典落語の定形に近い領域に達している。
過剰な装飾や複雑なバックストーリーで武装する近年のゲームキャラクターたちと比べ、彼女たちの造形はどこか素朴だ。だが、その引き算の美学こそが、クリエイターたちの創作意欲を刺激し続ける。隙間があるからこそ、人はそこに自分なりの解釈を注ぎ込みたくなるのだ。