足の裏に異変を感じた際、患者が最も恐れるのは「組織を削り取られるような痛い検査を受けるのではないか」という心理的ハードルだ。しかし実際の皮膚科臨床において、確定診断への第一歩として行われるダーモスコピー検査は完全無痛である。
皮膚科の診察室では、専用のゼリーを足裏に塗布し、特殊な光学レンズとLED照明を備えたダーモスコープを直接皮膚に当てる。角質層の光反射を抑え、表皮から真皮浅層の色素構造を10〜20倍に拡大して観察する。診察台に横たわり、検査にかかる時間はわずか2〜3分程度。費用も保険適用(3割負担)であれば数百円の検査料で済み、初診料を含めても数千円以内だ。熟練した皮膚科専門医であれば、この画像パターン(皮溝優位か皮丘優位か)を確認するだけで、9割以上の精度で不要な生検を回避し、その場で良性・悪性の方向性を判定できる。
ソーシャルメディアやQ&Aサイト(知恵袋、Xなど)に投稿された患者の生の声を調査すると、「突然できた真っ黒なシミに震え上がり、遺書まで考えたが、皮膚科で診てもらったら10秒で『運動靴による血豆ですね』と告げられて脱力した」「何年も放置していたほくろが6mmを超え、意を決して切除したところ良性の母斑と判明して心の重荷が下りた」といった体験談が圧倒的多数を占めている。一人で暗い部屋の中でスマートフォンの画面を見つめ、最悪のシナリオを想像して消耗する時間こそが最大の毒なのだ。
万が一、悪性が否定できない場合や、歩行時に体重がかかり痛みを伴う場合は、メスによる局所麻酔下の切除手術が行われる。足の裏のほくろは悪性腫瘍の鑑別を伴う医学的必要性が明白であるため、原則として健康保険が適用される。切除する病変の露出部外区分やサイズによって費用は前後するが、日帰り手術費用と病理組織検査費用を合算しても、3割負担の窓口支払額は約1万5,000円〜2万8,000円前後が標準的な相場だ。足の裏は皮膚に緊張がかかりやすく術後の安静が必要となるため、美容クリニックのレーザーで安易に焼き飛ばすのではなく、確実に組織を病理へ提出できる日本皮膚科学会認定専門医のいる一般皮膚科や形成外科を選択すべきである。