「たかが便秘」という思い込みが手遅れを招く最大の要因です。医学的に注意すべきは、腸の蠕動運動低下による「機能性便秘」ではなく、腸管の物理的な狭窄や閉塞、炎症が関与する危険な症状の顕在化です。
臨床現場において医師が厳戒態勢をとる代表的なレッドフラグ(危険信号)には、以下のような特徴的な兆候が存在します。
まず警戒すべきは、締め付けられるような波のある痛みから持続的な激しい痛みに変化する便秘激痛腹痛です。冷や汗を伴うほどの激痛や、お腹を軽く叩いたり触れたりするだけで飛び上がるような圧痛がある場合、腸管の内圧上昇による虚血や穿孔(破れ)が疑われます。
さらに、胃内容物だけでなく胆汁や糞便臭のする液体を吐き戻すような便秘吐き気嘔吐の併発は、腸内容物の逆流が起きている明確な異常事態です。これに加えて、便に鮮紅色の血液が混じる、あるいは全体が黒褐色・粘血便となる血便便秘原因としては、進行性の大腸がんや虚血性大腸炎、腸重積などが挙げられます。