古くから住環境学として伝わる風水と、近年の環境心理学における知見には驚くほど多くの共通点がある。アートが発する色彩や図像は、無意識のうちに居住者の心理状態や自律神経に影響を与える。
■ 玄関の風水と配置:気の入り口とされる玄関では、ドアを開けた正面に絵を掛けるのは避けるのが定説だ。入ってきた良い気を跳ね返すとされるため、入って右側(地位・名誉運)または左側(金運・対人運)の壁面に飾るのがセオリーとなる。モチーフは明るい風景画や花、山など広がりを感じさせるデザインが吉とされる。
■ リビングの方角と色彩効果:家族が集まるリビングでは、配置する方角に合わせたトーン調整が効果的だ。東向きの壁には成長を促すグリーンやブルー系のボタニカルアート、南向きには知性を高める鮮やかな色彩、西向きには豊かさをもたらすイエローやゴールド系、北向きには空間を温める暖色系のアートパネルが調和する。
■ 寝室の安心感と心理的効果:休息の場である寝室では、頭の真上に重量のある額縁を配置するのは地震対策および無意識の威圧感(警戒心)の観点から推奨されない。ベッドサイドや足元側の壁に、淡い水彩画や抽象画、静かな湖畔の風景など副交感神経を優位にする作品を飾ることで、睡眠の質の向上が期待できる。
■ トイレの空間調整:湿気や陰の気がこもりやすいトイレには、清潔感を演出するボタニカルアートや明るい抽象ポスターが最適だ。ただし、湿気によるカビや紙の波打ちを防ぐため、密閉性の高いフレームを選ぶか、手入れしやすいアクリルパネルを採用することが現実的なポイントとなる。