多くのファンに愛されていた店舗がなぜ姿を消したのか。その要因を分析すると、複合的なアパレル業界の構造改革が浮かび上がります。
第一に挙げられるのが、Gap Inc.(米国本社)が推進したグローバル規模での店舗網再編です。2020年前後から、Gapグループは世界的に収益性の低い大型路面店や都心型フラッグシップストアの縮小を進め、郊外型アウトレットモールやデジタルコマース(EC)への投資比率を急激に引き上げました。あべのHoop店のような超大型フロアを維持する賃料コストと、実店舗の売上効率のバランスが見直された形です。
第二に、あべのHoop自体のMD(マーチャンダイジング)戦略の転換があります。隣接する「あべのハルカス近鉄本店」が圧倒的な百貨店機能を持ち、近隣に「あべのキューズモール」などの超大型商業施設が競合するなか、Hoopはアパレル専業ビルから「食とカルチャーの体験型スペース」へと舵を切りました。この双方の戦略転換が合致した結果としての撤退劇でした。