映画『闇金ウシジマくんPart2』で柳楽優弥が演じたキャラクターの役名は、蝦沼秀樹(えびぬま ひでき)です。映画のキャストクレジットを二度見した観客が続出したほど、普段の端正な顔立ちを完全に封印した異様なビジュアルと挙動でスクリーンを支配しました。
蝦沼秀樹は、定職に就かずネットカフェを根城にし、日雇い労働や小遣い稼ぎの裏稼業で食いつなぐ極貧の青年です。ボサボサに伸び切った無造作な髪、生気を失い血走った眼光、薄汚れたパーカーのフードを深く被り、常に何かを警戒するように猫背で歩く姿は、まさに社会の底辺で孤立する人間のリアルそのものでした。
原作漫画『闇金ウシジマくん』には「蝦沼秀樹」という完全同一の単一キャラクターは存在しません。本作のメガホンを取った山口雅俊監督が、原作の「ヤンキーくん編」や「ホストくん編」に漂う人間の闇、さらには原作屈指の狂人キャラクターである「肉蝮(にくまむし)」が持つ理外の暴力性と、現代的なネットストーカーの陰湿さを巧みに融合させ、映画オリジナルとして昇華させた人物造形となっています。