新橋演舞場において、観劇ファンの間で最も熱い視線が注がれるのが1階席のフロントエリアと伝統の桟敷席です。舞台と観客との境界線が曖昧になるほどの没入感は、大規模ホールでは決して味わえない演舞場ならではの醍醐味と言えます。
1階席の見え方における最大の長所は、演者の微細な表情筋の動きや衣擦れの音、舞台を踏み鳴らす振動まで全身で体感できる点にあります。特に1列〜5列目のセンターブロックは、演者と視線が交差するような強烈な近さがあり、ファンにとってまさに「至高の座席」として語り継がれています。
花道を使用する公演(歌舞伎、滝沢歌舞伎関連作品、一部の商業演劇など)において決定打となるのが花道が見える席の確保です。花道は舞台上手・客席左側の7番〜8番席のすぐ脇を通るレイアウトとなっています。花道上の「七三(しちさん・舞台から3分の1の位置にある見せ場ポイント)」付近に位置する1階7〜15番の列は、演者が立ち止まって見得を切る瞬間の気迫を至近距離で浴びることができる特別なロケーションです。
一方、格式と快適性を極めた桟敷席の評判は非常に高く、一度体験すると平場に戻れなくなる観客も少なくありません。1階の左右壁面に一段高く設置された掘りごたつスタイルの座席には専用のテーブルが備え付けられており、ゆったりとしたスペースで観劇できます。東桟敷席(舞台に向かって右側)からは花道越しに舞台全体をワイドに捉えることができ、西桟敷席(舞台に向かって左側)は花道上の演者の真横・背後から迫力ある姿を見下ろす形になります。