政府の地震調査研究推進本部が発表している首都直下地震の発生確率は、「今後30年以内に約70%」という切迫した数値を維持しています。この数字は決して遠い未来の話ではなく、明日起きても統計学上まったく不思議ではない水準を意味します。
首都直下地震の最新想定において、最も大きな被害をもたらすと懸念されているのが「都心南部直下地震(M7.3)」です。冬の夕方、風速8m/sという悪条件で発生した場合、東京都が試算した被害想定の全貌は次の通りです。
被害の主な内訳として、死者数は最大約6,150人、負傷者は約9万3,000人、建物被害(全壊・焼失)は約19万4,000棟に上ります。耐震化の進展や不燃化特区の整備により、過去の想定(2012年公表値)と比較して死者数は約3割減少したものの、依然として壊滅的な打撃が予測されています。
さらに都市インフラの麻痺も深刻です。発災直後には都内の約5割で停電が発生し、固定電話や携帯電話の通信網も大幅に制限されます。上下水道の断水率は約26%に達し、約453万人に及ぶ帰宅困難者が街へ溢れ出す見通しです。