かつては「治療が極めて困難」と見なされていた境界性パーソナリティ障害ですが、現在では適切な治療を受ければ十分に寛解(症状が落ち着き、日常生活に支障がない状態)を目指せる疾患として位置づけられています。
回復を遂げた人々に共通しているのは、自分の感情パターンを客観視するスキルを身につけた点です。特に効果が実証されている心理療法として、感情調整や対人関係のスキルを学ぶ「弁証法的行動療法(DBT)」や、自分と他者の心の動きを推し量る「メンタライゼーションに基づく治療(MBT)」があります。また、激しい不安や気分の波に対しては対症療法として薬物療法が併用されます。
さらに、加齢とともに30代から40代にかけて自然と症状が落ち着いていくケースも多く報告されています。焦らずに信頼できる医療機関とつながり、安定した環境を整えていくことが着実な回復への近道です。