女優以上に歪な構造を抱えているのが男性キャスト陣です。世間一般では「男優は羨ましい仕事」と短絡的に語られがちですが、AV男優のギャラ相場は過酷を極めます。
現在、業界内で「主役」として名前が売れているトップ男優は日本国内に数十名しか存在しません。彼らの出演ギャラは1回あたり3万〜6万円程度。1日に2〜3現場を掛け持ちして年間数百本の撮影をこなすことで、ようやく年収1,000万円プレーヤーとなります。しかし、過度の肉体労働や過剰な精力増強剤の常用による健康被害のリスクは常に隣り合わせです。
さらに過酷なのが、業界の底辺を支える汁男優の報酬実態です。絡みのない射精シーンや大勢の観客役として参加するエキストラの場合、報酬は1現場あたりわずか3,000円から1万円程度。交通費の支給すら曖昧な現場も多く、月収換算で10万円に届かないケースが大半を占めています。「男優だけで生活する」ことは上位のごく一握りに許された特権であり、大多数はアルバイトで糊口をしのいでいます。
一方で、作品を統括するAV監督の年収事情も決して明るいとは言えません。かつてのパッケージビデオ全盛期には1本50万円以上の演出料が支払われていましたが、サブスクリプション配信が主流となった現在は、編集作業込みで1本あたり15万〜25万円程度まで単価が下落しています。年間20本を納品しても経費を差し引いた手取りは300万〜400万円台に留まり、クリエイターとしての労働対価が適正に評価されているとは言い難い状況が続いています。