テレビタレントとして確固たる地位を築いていた彼に、大きな転機が訪れたのは40歳を迎えた頃だった。バラエティ番組での自身の立ち位置に悩み、将来への不安を抱えていた時期、先輩芸人からの勧めで落語の世界に接する。桂枝雀の名演に大きな衝撃を受けた彼は、独学で落語の勉強を開始。その後、上方落語界の重鎮である月亭八方に弟子入りを果たした。
2013年、彼は長年親しまれた「山崎邦正」という芸名を高座では封印し、本格的に「月亭方正」へと改名。バラエティで見せる「ヘタレキャラ」とは一線を画し、古典落語の演目を完璧に消化して高座に上がる姿は、落語界からも高い評価を受けるようになる。お笑い芸人としての知名度に甘えることなく、地道に全国で独演会を重ねる真摯な姿勢は、多くの落語ファンや関係者を唸らせた。