橋本奈々未という存在がここまで神格化されている背景には、その類まれな「引き際の美しさ」がある。乃木坂46の1期生としてグループ黎明期から屋台骨を支え、白石麻衣らと共にトップアイドルへと押し上げた立役者。彼女が最初で最後のセンターを務めた名曲『サヨナラの意味』は、いまやグループの枠を超えて歌い継がれる金字塔だ。
秋元康の手による切なくも前向きな歌詞は、彼女自身の人生の選択と完全に重なり合っていた。テレビ東京系の冠番組『乃木坂工事中』で見せた最後の笑顔と、涙を堪えながらファンに告げた別れの言葉。芸能界への未練を微塵も感じさせず、自らの意志でマイクを置いたあの瞬間から、彼女の伝説は始まったと言っていい。