インターネット上で「モロヘイヤには猛毒がある」という情報を見かけて不安を覚えた経験があるかもしれません。この情報の背景には、植物学的な明確な事実が存在します。
モロヘイヤの種子や莢、発芽直後の若芽には、ストロファンチジンと呼ばれる強心配糖体が含まれています。これは動物の心臓に強い作用を及ぼす毒性成分であり、誤って口にすると嘔吐やめまい、重篤な心不全を引き起こす危険性があります。過去には農家で乾燥させた実を誤食した牛が中毒死した事例も報告されています。
ただし、流通している市販品については心配無用です。市場に出回るモロヘイヤは、毒性成分が一切含まれない「収穫期の若い葉と柔らかい茎」のみを徹底した品質管理のもとで出荷しています。一般のスーパーや八百屋で購入したもので中毒が起きる可能性はありません。
注意が必要なのは家庭菜園での自家栽培です。花が咲いた後の株、結実した莢や種、そして種から出たばかりの双葉は絶対に食べてはいけません。家庭で育てる場合は、花芽がついたら速やかに摘み取り、収穫期を過ぎた株は食用にせず処分するのが鉄則です。