外見だけでなく、ふたりの内面設計も対極のコントラストを描いています。この緻密なパーソナリティの差別化こそが、80年以上愛され続けるドラマを生み出す原動力です。
チップは「論理的で几帳面なリーダータイプ」です。常に先を見通して行動し、冬越しの木の実を計画的に蓄えようとします。責任感が強い一方で、短気でプライドが高く、計画通りにいかないと苛立ちを露わにする人間臭い一面も持ち合わせています。
対するデールは、「直感的でお調子者のマイペース派」。楽しいことや美味しいものに目がなく、チップが一生懸命働いている最中に居眠りをしたり、木の実をつまみ食いしたりして怒られるのがお約束の展開です。しかし、その無邪気さと憎めない愛嬌は、緊迫した局面で思わぬ奇跡や突破口を手繰り寄せる力を持っています。
彼らの魅力を語る上で欠かせないのが、あの独特なハイトーンボイスです。原語版アニメーションでは、人間の声を録音したテープを約2倍速で高速再生する手法が伝統的に用いられてきました。そして、この複雑な声音を見事に日本語で表現し続けているのが、実力派声優陣です。
日本語吹き替え版において、チップ役を滝沢ロコさん、デール役を稲葉実さんが長年にわたり担当しています。早回し加工を通しても失われない滑舌の良さ、怒ったチップの甲高いツッコミ、間の抜けたデールのとぼけたトーンなど、両声優による職人技の掛け合いが、日本におけるチップ&デールのキャラクター像を不動のものにしました。