時計の針を巻き戻す必要がある。日本の生配信カルチャーが産声を上げた時代、ニコニコ生放送のアンダーグラウンドな熱気は異様な熱量を放っていた。法規制もプラットフォームのモデレーションも追いつかない無法地帯。そこで生まれた特異なスターたちが、過激さを競い合うチキンレースへと突入していったのは必然だった。
画面越しに煽られ、煽り返す。警察沙汰、路上での乱闘、個人情報の暴露。視聴者の残酷な承認欲求と配信者の破滅願望が共鳴し、暴力的なエンターテインメントが量産された。ネット配信業界の黎明期を支えたこの暗黒のエネルギーこそが、彼というモンスターを生み育てる母胎となった。当時の熱狂を共有した古参ユーザーたちは、彼が発していた特有の危うさに魅了されながらも、いつか破綻が訪れることを予感していたと語る。