日常会話やSNSで多用されるゲラとは、笑いのツボが浅く、些細な出来事やくだらない冗談に対してすぐに吹き出してしまう人を指す俗語(スラング)です。会話の最中に一人だけツボに入って呼吸困難になるほど笑い続けたり、他の人が何とも思わないシュールな一言に反応して笑いを堪えられなくなったりするタイプが典型例に挙げられます。
ここで多くの人が混同しやすいのが「笑い上戸」との違いです。国語辞典や行動心理の定義を照らし合わせると、両者の間には明確な境界線が存在します。
「笑い上戸」の語源は、古来の律令制における階層区分「上戸(酒を多く飲む人・大酒飲み)」に由来します。本来はお酒を飲んだ際に陽気になって笑い転げる酒癖を指し、「泣き上戸」や「怒り上戸」の対極として使われてきました。転じて現在では酒席以外でよく笑う人を指す場合もありますが、根底には感情の起伏そのものが豊かで情動が表に出やすい気質が含まれます。
対する「ゲラ」は、アルコールの有無は一切関係なく、素面の状態でもスイッチが入る「笑いの沸点の低さ(反応速度の速さ)」に焦点があります。笑う理由も感動や情動ではなく、「言葉のイントネーションがおかしかった」「誰かの視線が泳いだ」といった偶発的な刺激や違和感を敏感にキャッチして笑いに変換してしまう知覚の鋭さに起因しています。
実際の会話における使い分けとしては、「あいつ本当にゲラだから、真面目な話をしてるのに目線が合っただけで吹き出す」「私はゲラすぎてバラエティ番組を一人で見られない」といったように、自虐や愛着を込めたキャラクター付けとして機能しています。