その強固な鎧を自ら脱ぎ捨て、世界に衝撃を与えたのが2021年6月号の英国版『VOGUE』のカバーでした。ブロンドヘアにイメージチェンジしたビリーは、特注のグッチ(Gucci)やバーバリー(Burberry)のコルセットやランジェリー風ドレスに身を包み、堂々たるクラシカルなグラマラスボディを披露しました。
この表紙画像が公式Instagramに投稿されるや否や、わずか6分で100万件以上の「いいね!」を獲得。プラットフォーム史上最速記録を更新する爆発的な反響を呼んだ一方で、一部のオールドファンやネットユーザーからは激しいバッシングが巻き起こりました。「オーバーサイズを着てルッキズムと戦っていたはずなのに、結局はステレオタイプな性的アピールに屈した」「ファンを裏切った」という身勝手な批判が殺到したのです。
こうした声に対し、ビリーは誌面のロングインタビューで痛快な言葉を返しました。
「肌を見せようが見せまいが、それによって敬意を払われるかどうかが決まるべきじゃない。胸を強調したい日はそうすればいいし、翌日にオーバーサイズのパーカーを着たっていい。自分が良い気分になれるなら、それが正解。選択肢はいつだって自分自身の手の中にあるべきなの」
彼女にとってコルセットの着用は世間への迎合ではなく、「他人が押し付けるビリー・アイリッシュ像」からの完全な解放であり、自己決定権の奪還を象徴する意思表示だったのです。