スイーツ業界を長年取材する専門家やフードジャーナリストが一様に驚嘆するのが、シャトレーゼの徹底した原価管理と品質へのこだわりです。同社のケーキが他店と一線を画す価格帯を維持できる最大の理由は、創業以来培ってきた独自の「ファーム・ファクトリー」構想にあります。
一般的な洋菓子店の場合、乳製品、卵、フルーツ、小麦粉などの仕入れには複数の卸売業者や商社が介在し、中間マージンや輸送コストが価格に転嫁されます。対してシャトレーゼは、山梨県や北海道をはじめとする契約農家や牧場から、搾りたての牛乳や採れたての卵を自社工場へ直接納入。仕込みから製造、全国の店舗への配送トラックに至るまでを自社グループで完結させる垂直統合型のサプライチェーンを構築しています。
国内外の酪農・鶏卵市場が大きな変動に見舞われた局面でも、同社はシャトレーゼショートケーキ価格改定を最小限の幅にとどめ、主力商品の「スペシャル苺ショート」を300円台後半〜400円前後の驚異的な水準で提供し続けています。単にコストを削るのではなく、「添加物を極力使わず、自然な素材本来の風味を生かす」という哲学が現場の製造ラインに根付いていることこそが、シャトレーゼケーキ安さの理由であり、消費者の絶大な信頼を獲得している本質です。