基礎体温表を見つめる読者にとって最大の関心事は、その体温低下が「吉兆であるインプランテーションディップ」なのか、それとも「生理が始まるリセットのサイン」なのかという見極めでしょう。この2つを判別するには、発生する日数と直後のリバウンド推移を注視する必要があります。
決定的な違いの1点目は「発生時期と持続期間」です。インプランテーションディップは高温期7日目から10日前後という高温期の中盤に起こり、わずか1日(最大でも2日)で急回復します。対して、生理前の体温低下は通常、高温期の12〜14日目以降に発生し、翌日以降も体温が戻ることなくそのまま低温期のベースラインへ沈んでいきます。
そして2点目の重要な指標が、ディップの直後に現れることがある基礎体温の二段上がり(Triphasic Pattern)です。着床が成立すると、受精卵の外側にある絨毛組織からhCG(ヒト絨毛性性腺ホルモン)が分泌され始めます。このhCGが黄体を強力に刺激し続けることで、プロゲステロンの分泌量がさらに増加します。その結果、ディップを境にして、高温期前半よりもさらに0.1〜0.2度ほど高い「第二の高温ゾーン」へと体温が突き抜ける現象が観察されるケースがあります。この二段上がりを伴うグラフを描いた場合、妊娠の期待値は統計的にも高まる傾向にあります。