ペールギュント「朝」は北欧ではなく砂漠?名曲の真実を徹底解説

ペールギュント「朝」は北欧ではなく砂漠?名曲の真実を徹底解説

ペールギュント「朝」は北欧ではなく砂漠?名曲の真実を徹底解説の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。

「ペールギュント 朝 作曲者」として知られるエドヴァルド・グリーグ(1843–1907)は、ノルウェーを代表する国民楽派の巨匠です。1874年、同国の劇作家ヘンリック・イプセンから戯曲『ペール・ギュント』の上演用劇音楽の作曲を直接依頼されたことから、この名作の歴史が始まりました。

しかし、作曲の過程はグリーグにとって苦難の連続でした。イプセンの描くペール・ギュントは、祖国の英雄などではなく、夢見がちで無責任、快楽に流されて自己欺瞞を繰り返す「アンチヒーロー」だったからです。純朴なノルウェーの民族精神を重んじていたグリーグは、イプセンの強烈な社会風刺や皮肉に満ちた劇内容に戸惑い、友人に宛てた手紙の中で「極めて扱いにくい題材であり、自分とは相容れない部分が多い」と弱音を吐露していました。

それでもグリーグは、砂漠の場面に対してあえてエキゾチックなアラビア風の音階を用いるのではなく、自然そのものが持つ圧倒的な生命力をホ長調(E Major)の澄んだ和声に託しました。主人公の俗悪さとは対照的に、誰の上にも平等に降り注ぐ朝日の美しさを純粋音楽として昇華させたことが、現代にまで残る名曲へと成長した理由です。

中島 亮太
著者

中島 亮太

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