年配層を中心に現在でも小さなトマトを「プチトマト」と呼ぶ人がいますが、厳密にはプチトマトとミニトマトの違いには明確な歴史的事実が存在します。
昭和50年代、種苗メーカーであるタキイ種苗が開発・販売したミニトマトの品種名および商標が「プチトマト」でした。当時の日本の家庭菜園ブームと洋食化の波に乗り、爆発的なヒットを記録したことから、一口サイズのトマト全般を指す一般名詞のように定着した経緯があります。しかし、その後さらに食味や耐病性に優れた新品種(「千果」や「アイコ」など)が各社から次々と誕生した結果、元祖「プチトマト」の種子は2007年に惜しまれつつ販売終了となりました。現在流通しているものは、すべて生物学的に多様な「ミニトマト」の新品種群です。
現代の店頭に並ぶミニトマトの糖度と甘さの理由は、徹底した育種選別と水分ストレス管理にあります。大玉トマトが水分をたっぷり吸収して150g〜200gまで果実を肥大化させるのに対し、ミニトマトはもともと小型で細胞分裂が早期に止まる性質を持っています。限られた体積の中に光合成で作られたブドウ糖や果糖が濃縮されるため、一般的な果物(イチゴで糖度9〜10度程度)に匹敵する糖度8〜10度以上を記録する個体も珍しくありません。