心の救済を得たグロキシニアを待ち受けていた結末は、あまりにも過酷で、そして美しい自己犠牲でした。彼の死亡理由となったのは、キャメロットへ向かうメリオダスを奪還すべく現れた最上位魔神「チャンドラー」との死闘です。
魔神王直属の師匠格であり、元祖十戒すら子供扱いする規格外の戦闘力(闘級170,000超)を持つチャンドラー。まだ本来の力を完全に取り戻していないキングやディアンヌ、そして七つの大罪の面々では、チャンドラーの猛攻から生き延びることは不可能でした。
この絶体絶命の危機に駆けつけたのが、グロキシニアとドロールでした。二人は、かつて自分たちが過ちを犯して失ってしまった「未来」を、キングとディアンヌに託すことを決断します。「自分たちが時間を稼ぐ。お前たちは行け」と告げ、逃走のための殿(しんがり)を買って出たのです。
チャンドラーの圧倒的な闇の魔力と肉弾戦の前に、二人は重傷を負いながらも一歩も引きませんでした。グロキシニアは霊槍バスキアスを限界まで酷使し、ドロールは自らの巨躯を盾にして猛攻を受け止め続けました。死を悟りながらも、二人の表情には3000年ぶりに取り戻した「王としての気高き誇り」が宿っていました。
最期はチャンドラーの容赦ない一撃を受け、ドロールと共に戦死。しかし、彼らが命を賭して稼いだ数分間が、キングたちの脱出を成功させ、ブリタニアの未来を救う決定打となりました。裏切り者として生きた3000年の苦悩に終止符を打ち、真の「初代妖精王」として散っていったその最期は、作中屈指の涙を誘う名シーンとして今なお語り継がれています。