スポーツ外傷や日常のケガに対する応急処置の国際基準として広く知られるRICE処置は、処置内容の英単語の頭文字を並べたものです。RICE処置の覚え方は非常にシンプルで、以下の4つのアルファベットに集約されます。
- R(Rest:安静):患部を動かさず、損傷部位の悪化を防ぐ
- I(Ice:冷却):血管を収縮させ、内出血や腫れ、痛みを抑える
- C(Compression:圧迫):適度な圧をかけて組織液の滲出と腫脹を抑える
- E(Elevation:挙上):患部を心臓より高く上げ、血流の滞留を防止する
このRICE処置の目的は、ケガそのものを完治させることではなく、受傷部位周辺の細胞が酸素不足に陥る「二次的低酸素障害」を防ぎ、腫れと炎症の拡大を最小限に食い止める点にあります。具体的なRICE処置のやり方は以下の流れで進めます。
まず、受傷直後にプレーや動作を直ちに中断し、安全な場所でRest(安静)を確保します。無理に歩かせたり患部を動かしたりすると、切れた靭帯や筋線維の損傷が広がり、回復期間が大幅に延びてしまいます。
続いて速やかにIce(冷却)とCompression(圧迫)を同時に行います。氷嚢や氷を入れたビニール袋を患部に当て、弾性包帯(バンデージ)やテーピングで適度なテンションをかけながら固定します。最後に、クッションや台を使って患部を心臓より高い位置へ持ち上げるElevation(挙上)を維持します。
特にRICE処置が有効なケガには、関節周囲の靭帯を痛める「捻挫」、打撃による筋肉・皮下組織の損傷である「打撲」、急激な筋収縮で筋線維が断裂する「肉離れ」の3大急性外傷が挙げられます。いずれも受傷直後の数十分間でどれだけ内出血をコントロールできるかが治療期間を左右します。