人の波が途切れない二大拠点、名駅と栄。この過密地帯において、いかにして喧騒を逃れるか。現場の定点観測から浮かび上がったのは、人の流れの「ベクトル」を逆手に取る手法だ。
まず、名古屋駅カフェゆっくり穴場を開拓するなら、JR桜通口のメインコンコースを避け、太閤通口(新幹線口)側の地下街エスカ最深部や、ルーセントタワー方面へと続く地下通路の終着点付近に目を向けるのが定石である。オフィスビル高層階のロビーラウンジや、KITTE名古屋の上層階にひっそりと佇むカフェは、乗降客の動線から完全に外れている。平日午後であっても座席稼働率が40〜50%程度で推移しており、待ち時間ゼロでスムーズに着席できるケースが圧倒的に多い。
一方、商業施設がひしめく栄エリアでは、栄カフェ静かで落ち着く店を見つける鍵は「久屋大通北側」および「矢場町寄りの南エリア」へのシフトにある。栄交差点直下の地下街は常に人通りが激しいが、北東の東桜方面や、南西の白川公園方面へと徒歩7〜8分足を伸ばすだけで、都市の騒音は劇的に減退する。コンクリート打ち放しの無機質な空間に広めのテーブルを配したギャラリー併設店や、緑道沿いのテラスを抱える店舗では、隣の席との間隔が1メートル以上確保されており、周囲を気にせず自分の世界に没頭することが可能だ。