スマートフォンの画面で注文し、無人のレーンから流れてくる皿を受け取る。そんな近未来型の店舗が飽和状態を迎えた2026年、消費者の心は急速に冷めつつある。味は悪くない。だが、どこか無機質だ。この「寿司テック疲れ」とも呼ぶべき現象のなかで、目の前で職人が握り、手渡ししてくれる体験の価値が急上昇している。
「やっぱり、人が握る寿司は違いますね」と話すのは、週に一度は都内の店舗に通うという30代の会社員だ。ロボットが成形したシャリとは異なり、職人の手による握りは空気を含み、ネタとの一体感が格段に違うという。