アニメ第19話「ヒノカミ」で描かれた炭治郎の覚醒と襧豆子の血鬼術「爆血」による同時攻撃は、累の首を捉えたかに見えました。しかし、累は切断される寸前に自らの糸で自分の首を切り離すという驚異の機転で致命傷を回避。炭治郎を絶望に突き落とします。
その絶対絶命の窮地を救ったのが、鬼殺隊最高位「柱」の一角、水柱・冨岡義勇でした。義勇は、累が全力を注いで放った奥義「刻糸輪転(こくしりんてん)」を、独自の呼吸である「拾壱ノ型 凪(なぎ)」によって完全に無力化。間髪入れずに累の間合いに踏み込み、一瞬の太刀筋で頸を両断しました。炭治郎が命を賭してなお届かなかった下弦の伍を、義勇が瞬息で討伐するこのシークエンスは、十二鬼月と柱の実力差をまざまざと見せつける名シーンとなりました。
首を刎ねられ、急速に崩壊していく累の体。その消えゆく背中に、炭治郎は怒りではなく、深い慈悲に満ちた手をそっと添えます。「誰よりも家族の絆に飢えていた」累の痛みを察した炭治郎の温もりによって、累の脳裏に封印されていた過去の記憶が走馬灯のように蘇りました。
「全部僕が悪かったんだ……ごめんなさい」
死の淵で自らの罪を認め、涙を流す累の魂を迎えに来たのは、彼が自らの手で殺めたはずの両親でした。「一緒に行くよ、地獄でも。父さんと母さんの役目だ、我が子の罪を共に背負うのは」。その温かい抱擁を受け入れた瞬間、累の魂は永きにわたる孤独と狂気からついに解放されたのです。