ソーシャルメディアにおいて、プロフィール画像はユーザーの「デジタル上の顔」そのものである。かつて主流だった過度な加工自撮りや、作り込まれたカメラ目線のポートレートから距離を置くユーザーが今、明確な意思を持って後ろ姿を選び取っている。取材班がSNSマーケティングの現場やアクティブユーザーへのヒアリングを重ねる中で浮き彫りになったのは、現代特有のコミュニケーション意識の変化だ。
第一に挙げられるのが、「心理的バウンダリー(境界線)」の構築である。ネット上での顔出しに伴うプライバシー漏洩や、外見に対する無遠慮な評価(ルッキズム)から身を守りつつ、自らの美意識やパーソナリティを損なわずに発信したいという防衛意識が働いている。顔を隠すことで、属性や年齢に縛られない「理想の自己像」を画面の向こうに投影できるのだ。
第二に、後ろ姿が宿す「エモい情緒と想像の余白」が圧倒的な共感を生んでいる点だ。正面の顔写真は情報量が多すぎるため、見た瞬間に感情や文脈が固定化されてしまう。これに対し、風に揺れる髪や少し伏せられた肩のラインを描いた後ろ姿は、見る側に「この人は今、どんな景色を見つめているのだろう」「何を考えているのだろう」という想像の余白を残す。女の子後ろ姿イラストがおしゃれでエモいと評価される根底には、鑑賞者が自らの記憶や感情を重ね合わせられるオープンエンドな構造が存在している。