サッカー日本代表のファーストユニフォームといえば「青」が定着していますが、日本代表アウェイユニフォームにおいて長年基調とされてきたのは「白」です。この選択には、単なる慣例にとどまらない国際統括団体の厳密なレギュレーションと、機能美への追求が存在します。
最大の要因は、FIFAが定めた「キット・レギュレーション」にあります。国際試合において両チームのユニフォームは、白黒テレビや遠くの観客席からでも瞬時に選手を識別できるよう、「ダークカラー(濃色)」と「ライトカラー(淡色)」に明確に分けることが義務付けられています。日本のホームが深い青である以上、対戦相手が青や赤、黒などの濃色を採用している場合、日本代表は最もコントラスト比が高く視認性に優れた「淡色(ライトカラー)」を選択しなければなりません。その極限として、古くから国旗の白地を想起させるクリーンな白が重用されてきた背景があります。
一方で、近年はその既成概念を覆す色彩設計が導入され、大きな話題を呼びました。アディダスジャパンと世界的デザイナー山本耀司氏が手掛けるブランドが融合した日本代表ユニフォームY-3コラボでは、セカンドユニフォームの概念を覆すグラフィックと色彩がピッチを席巻しました。単に相手と色を違える道具ではなく、ピッチ上で燃え盛る情熱を表現する「カルチャーの旗印」として、黒や大胆な炎のグラフィックが採用されたのです。伝統的な日本代表ユニフォーム白色の理由である「視認性と純潔」を受け継ぎつつも、現代のストリートカルチャーと融合した新しい色彩の地平を切り拓いています。