「豚珍館」を初めて訪れる人が最も緊張するのが、ビル2階へと続く薄暗い階段でのやりとりです。現場での実体験に基づく観察から、入店前に把握しておくべき重要ルールを整理しました。
階段の列に並んでいると、突如として上階から厨房着姿のスタッフが階段を降りてきて、「ご注文決まりましたか?」と問いかけてきます。この時点で即答できないと、後ろの客に先を越されたり、スタッフの素早い動線を止めてしまったりしてプレッシャーを感じることになります。したがって、「階段の最後尾に並ぶ前に注文メニューを確定させておくこと」が必須の鉄則です。
席への案内後も独自の文化が存在します。店内はテーブル席とカウンター席が密集しており、「完全相席制」が基本です。4人掛けテーブルに見知らぬビジネスパーソン同士が黙々と対峙し、ひたすらカツと米に向き合う光景が日常です。ゆったりと会話を楽しむ空間ではなく、職人が揚げる出来立てのカツを最短距離で胃袋に流し込む「食の戦場」としての割り切りが求められます。
また、卓上に用意された調味料にも豚珍館ならではの個性があります。定番の「濃厚とんかつソース(甘口・辛口)」に加え、大型のポリ容器に入った「スイートチリソース」が常備されています。揚げ物にチリソースという異色の組み合わせですが、衣の脂っぽさを適度な酸味とピリ辛さでリセットしてくれるため、後半の味変として中毒的な人気を博しています。