この重厚な世界観に命を吹き込んだのが、シンガーソングライターの諫山実生だ。彼女の透明感と哀愁をあわせ持つ歌声は、静かな語り口からサビに向かって情感豊かに波打ち、聴く者の心を深く揺さぶる。優雅でありながらどこか影を落としたメロディラインは、まさに優美なワルツ(3拍子)のステップそのものと言える。
言葉の端々に漂う艶やかさと切なさは、従来の童謡の概念を完全に覆した。サビで跳躍するボーカルラインと壮大なストリングスが交差するとき、楽曲はひとつの音楽劇へと昇華する。諫山実生の歌声があったからこそ、この物語は単なるアニメーションの伴奏ではなく、独立した芸術作品として成立した。