麺めん亭を語る上で絶対に外せないのが、看板ラーメンである「特製手揉み醤油らぁ麺」です。着丼した瞬間に立ち上る芳醇な生揚げ醤油の香りと、琥珀色に澄み渡るスープの美しさは、緻密な計算の上に成り立っています。
まず注目すべきは、スープとだしの特徴です。ベースとなる動物系スープには、厳選された国産地鶏のガラと丸鶏を惜しみなく使用し、低温でじっくりと旨味だけを抽出。そこに伊吹産の上質な白口煮干しや利尻昆布、厳選された節類を別取りした魚介だしを絶妙な黄金比でブレンドしています。一口含むと、まず鶏のふくよかなコクが広がり、後味にかけて魚介の上品なキレが抜けていく重層的な仕上がりです。化学調味料に頼らず、素材そのものが持つイノシン酸とグルタミン酸の相乗効果を極限まで引き出しています。
そして、このスープを受け止める自家製麺のこだわりも見逃せません。店主は北海道産小麦「春よ恋」と「ゆめちから」を独自の比率で配合。日々の気温や湿度を計測しながら、加水率約43%という多加水設計で打たれます。茹で上げる直前に店主自らの手で力強く手揉みを加えることで、ランダムな縮れと不規則な凹凸が生まれ、スープを過不足なく持ち上げる構造です。唇を滑る心地よい啜り心地と、噛み締めたときに広がる小麦本来の甘みは、一度体験すると忘れられないインパクトを残します。
さらに、おすすめメニューとして常連客から熱烈な支持を得ているのが「淡麗貝だし塩らぁ麺」です。蜆(しじみ)と浅利(あさり)の凝縮されたコハク酸がじんわりと五臓六腑に染み渡る構成で、醤油とは異なるストレートの細麺を組み合わせるなど、メニューごとに麺の太さや配合を変える徹底ぶりです。低温調理でしっとりと仕上げられた豚肩ロースと鶏むね肉の2種類のチャーシューも、素材の旨味を最大限に引き立てる名脇役となっています。