「私の血はワインでできている」という名言を遺すほど、ワイン文化を愛した川島さん。彼女が生前に認めた直筆の遺言やメモには、鎧塚氏への溢れんばかりの感謝と、少しの独占欲、そして何よりも夫の行く末を案じる切実な願いが込められていました。
手記や関係者の明かした証言によると、遺言には「できれば再婚しないでほしい」「一緒のお墓に入りたい」という率直な心情が綴られていました。一見すると強い束縛のようにも受け取れるこの言葉について、鎧塚氏は後にインタビューで、「それだけ深く愛してくれていた証であり、彼女らしい素直な愛情表現」と優しく受け止めています。
さらに、自身の誕生年である1960年のヴィンテージワイン「DRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)」を巡るエピソードも有名です。「自分が旅立った後、毎年私の命日に、あなたの好きな人と一緒に開けて飲んでほしい」と遺されていた約束。告別式の際には、夫の手によって棺へ愛用のワインが手向けられました。東京都港区の青山霊園にある墓石には、ワイングラスと愛犬のレリーフが彫り込まれ、川島さんが紡いだ情熱が今もその地に静かに息づいています。