受験直前期の大手進学塾や受験生保護者のコミュニティ(SNSや匿名掲示板など)では、毎年1月から2月にかけて「インフルエンザ予防内服」に関する議論が激化します。「家族全員でイナビルを吸入して難を逃れた」という成功談がある一方で、「直前に高額な自費診療を受けたが、結局別の風邪を引いてコンディションを崩した」という声も散見されます。
過熱する受験競争のなかで、「何が何でも感染を防がなければならない」という焦燥感から、家族内に感染者がいないにもかかわらず「お守り代わり」として漫然と早期投与を希望するケースが後を絶ちません。しかし、感染症専門医の現場証言によれば、無秩序な予防投与は費用対効果が極めて低いだけでなく、いざ本番直前で本当に濃厚接触した際に再投与が難しくなるというデメリットを生み出します。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
受験という極限の心理状態において、薬に対する過剰な期待や親子の共依存的な不安の連鎖を断ち切り、冷静な判断を下すための明確な基準を提示します。
- 予防投与を強く推奨できるケース:
- 同居する親や兄弟姉妹がインフルエンザを発症し、濃厚接触から48時間以内である場合
- 受験生本人に心臓病や糖尿病などの基礎疾患があり、感染時の重症化リスクが著しく高い場合
- 共通テスト当日や第一志望校の個別試験まで残り3〜7日というタイミングで家族内感染が発生した場合
- 予防投与を慎重に判断・避けるべきケース:
- 家族や周囲に明確な感染者がいない段階での「漠然とした不安解消目的」の投与(効果期間10日を過ぎると切れるため)
- 重度の気管支喘息があり、粉末吸入による発作誘発リスクが高い場合
- 試験本番までまだ1ヶ月以上あり、日々の衛生管理や体調管理がおろそかになっている場合