「部屋を毎日きれいに掃除しているのに、なぜ虫が湧くのか」という疑問を持つ人は少なくありません。調査現場や生活衛生管理のデータが示す結論は明確です。ヒメカツオブシムシの発生原因の起点は、室内での自然発生ではなく、外部からの侵入です。
では、成虫は具体的にどこから侵入してくるのでしょうか。最大のルートは、春先にベランダや庭へ干した「白い洗濯物やシーツ」への付着です。キク科の花粉を好む成虫は、白色や明るい光を反射する物体に強く誘引される走行性(走光性・走白性)を持っています。外干しした洗濯物を取り込む際、繊維のシワや折り返し部分にしがみついたまま室内に持ち込まれるケースが全体の大部分を占めています。
さらに見落とされがちなのが、網戸のわずかな隙間、エアコンのドレンホース、換気扇の通気口です。屋外の鳥の巣(スズメやハトの古巣)には羽毛や鳥の死骸などカツオブシムシの幼虫の餌が豊富にあり、そこが一大繁殖源となっていることがあります。軒下に放置された古巣から成虫が換気口経由で室内に侵入する事例は、防除業者の現場検証でも頻繁に報告される盲点です。