津波の発生メカニズムを一言で表すと、「海底地殻変動による海水の急激な上下運動」です。海底の地面がプレートの跳ね返りや断層の破壊によって一瞬で数メートル隆起・沈降すると、その上にある膨大な海水が持ち上げられ、波となって周囲に広がっていきます。
この物理原則を理解すると、なぜ内陸地震や深発地震で津波の心配がないのかが明白になります。
まず、内陸の直下型地震では、断層の破壊が陸地の中で完結します。どれほど激しい揺れ(震度6強や震度7)を観測したとしても、破壊された断層が海に接していなければ、海水を押し上げる作用は一切働きません。これが内陸地震で津波が起きない絶対的な理由です。
次に、地下100km〜数百kmという深い場所で起きる「深発地震」の場合です。プレート内部の歪みによって破壊が生じても、震源から海底面までの距離が長すぎるため、断層のズレが地表(海底面)に達する過程でエネルギーが拡散・吸収されます。結果として海底面の大規模な隆起や沈降が引き起こされないため、津波は発生しません。