「痛みが引いたからまだ大丈夫」と虫歯を放置するのは極めて危険な兆候です。歯の神経(歯髄)が死んでしまうと一時的に痛みを感じなくなりますが、内部では細菌が繁殖を続け、根の先端に膿が溜まる「根尖性歯周炎」へと進行していきます。
さらに深刻なのが、自覚症状が少ないまま顎の骨を溶かしていく重度歯周病です。骨が溶けてしまうと、健康だった隣の歯までグラグラになり、最終的には複数本の歯を一気に失うドミノ倒しのような状態に陥ります。細菌が血管を通じて体内へ巡ることで、心臓疾患や糖尿病の悪化など全身の健康を脅かす引き金にもなりかねません。
現在の歯科医療では、重度歯周病に対しても「歯周組織再生療法」や特殊な薬剤を用いた徹底的な除菌プログラムなど、歯を残すための高度な治療アプローチが確立されています。「もう抜くしかない」と自己判断して諦める前に、専門的な診察を受けることが歯の寿命を左右します。